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TASK6タスク管理仕事術できない人の味方

マルチタスクが苦手な人の仕事術|分解しても終わらない本当の理由

マルチタスクが苦手なのは集中力の問題ではありません。書き出しても、優先順位をつけても、細かく分けても終わらないのは、1日に片づけられるタスクの数に上限があるからです。明日の朝から試せる3つの手を、実際にあった例から整理します。

高橋ゆうこ

「今日中に終わらせます」と言った自分を、夕方に呪う。

朝の自分は、いつも他人事のように楽観的だ。付箋にも書いた。優先順位もつけた。それなのに終業のころには、手つかずのものが3つ残っている。誰のせいでもない。強いて言えば、朝の自分のせいだ。


よく勧められる対策は3つあります。全部書き出す。優先順位をつける。ひとつずつやる。おそらく、もう試したはずです。

この記事は、その3つを済ませてもなお終わらない人のために書きました。仕事が終わらない理由は、切り替えの多さだけではありません。終わらない原因は集中力ではなく、その日に使える時間に対してタスクを入れすぎていることにあります。 使える時間には上限があります。そこを超えて積んでいるだけで、やる気の問題ではありません。

そもそも、マルチタスクが苦手とはどういう状態?

マルチタスクが苦手とは、複数の仕事を抱えているときに、仕事を切り替えるたびに思考がリセットされ、全体としての進みが結果的に遅くなる状態を指します。

そもそも人は、本当の意味で同時にはやっていません。実際には、速く切り替えているだけです。切り替えのたびに遅れが生まれることは、米国心理学会(APA)の解説でも整理されています。別の仕事に移るたび、開いていたものを閉じ、次のものを開き、どこまで進んだか読み直す。この思い出す時間が、積み重なると意外に大きくなります。

同時進行が得意そうに見える人も、特別な能力があるわけではありません。切り替える回数が少なくて済むように、仕事の順番を組んでいるだけです。

症状:分解したのに、その日が終わらない

まじめな人ほど、アドバイスのとおりに動きます。大きな仕事を細かく分け、日ごとに割り振って、タスク管理ツールに登録する。ここまでやれば回るはずでした。

ところが実際にその日を迎えると、並んでいる作業は、どう見てもその日の時間に収まりません。終わらないことは、登録した時点ですでに決まっていたわけです。

実際に、こんな相談が届いています。

日ごとに分けて期日を割り当てていくと、どう考えても1日では終わらない日ができてしまう。それなのにツールは、何も言ってくれない。

分解をがんばった人ほど、この壁に当たります。

次のどれかに、心当たりがあるはずです。

  • 今日の分をやりきろうとすると、いつも夕方に足りなくなる
  • 大きい仕事の1行目が書けないまま、何日も置いている
  • 「相手待ち」が、自分のやることの一覧に混ざっている

原因1:ツールは締切しか見ていない

タスク管理ツールの多くは「いつまでに」は持っていますが、「何時間かかるか」は持っていません。だから同じ日に何件でも積めてしまい、入りきらないことは誰も教えてくれません。8時間勤務でも、会議や移動を引いた残りが実際に使える時間です。締切しか見ていない計画は、入りきらないことに当日の夕方まで気づけません。

見分け方:今日のタスクに、所要時間が書かれているものが1つでもあるか。1つも無ければ、その計画は締切だけでできています。締切の引き方そのものについてはタスク管理が上手い人は何が違うのかで詳しく書きました。

原因2:最初の一歩に分けられないと、ひとりで抱え込む

大きな目標を、手のつけられる大きさに分けられないまま抱え込んで、期末を迎えてしまった。実際にあった例です。ここで順番を間違えやすいのですが、分けられないから、何を頼めばいいのかも決まらないのです。黙っている人は、隠しているのではなく、切り出し方が分からないだけだったりします。

分けられない仕事は、着手が遅れたぶん、最後の数日にまとめて積み上がります。入れすぎは、こうしてあとから起きます。

見分け方:タスク名の頭に動詞が書けるか。「企画書」では動けません。「去年の企画書を開く」なら、いま手が動きます。動詞が書けないものは、まだ作業の名前になっていません。

原因3:自分のリストに、相手待ちが混ざっている

期日ぎりぎりに着手した方が、当日になって手をつけたら、途中に「Aさんに確認」という一行が入っていた。その日Aさんは休みで、期限には間に合いませんでした。実際にあった例です。自分で終わる仕事と、相手が動かないと終わらない仕事は別ものです。同じリストに並べていると、自分に残された時間を、実際より多く見積もることになります。

見分け方:今日のリストを上から1件ずつ「これは自分だけで終わるか」と確かめる。相手の返事が要るものが3件あれば、その3件にかけるつもりだった時間は、今日の自分の持ち時間から外します。

対処:明日の朝から試せる3つ

新しいツールは要りません。いま開いているカレンダーと、いつも使っているタスク管理ツールだけでできます。順番も含めて、そのまま試せる形で書きますね。

1. タスクを積む前に、その日に使える時間を数える

朝いちばんにカレンダーを開いて、今日の予定を差し引きます。会議と移動を除いた残りが4時間なら、今日やると決めていいのは4時間分まで。タスク管理ツールに今日の分として並んでいるものを上から見て、4時間に収まらない分は、その場で外に出します。ただ明日へずらすだけだと、翌日も同じことが起きます。期限を動かす、誰かに頼む、今回はやらないと決める——このどれかを、その場で決めてください。動かせない期限が残るなら、その日のうちに依頼元へ相談します。

順番を決めるのではなく、その日に入らないタスクを先に外へ出す。ここがいちばん大事です。見積もりは正確でなくてかまいません。「30分・1時間・半日」の3段階で十分に足ります。ずれても、3日も続ければ自分の目安が分かってきます。

2. 大きい仕事は「最初の15分」だけ決める

丸ごと分けようとすると、たいてい手が止まります。目標そのものを見つめるのではなく、明日の自分が15分でできることを1つだけ決めてください。

やり方は簡単で、タスクの名前を書き換えるだけです。「企画書を作る」ではなく「去年の企画書を開いて、構成をまねる」。ここまで小さくすると、たいていは手が動きます。それでも止まるなら、必要な資料が揃っていないか、誰かの判断を待っている可能性があります。残りを分けるのは、その15分を終えたあとで構いません。一度手をつけた後のほうが、何が必要かよく見えています。

3. 相手待ちを、自分のリストから外に出す

自分のリストには「自分が手を動かせば終わるもの」だけを置きます。相手の返事を待つものは、担当者を相手に変えるか、「相手待ち」のラベルを付けて別の一覧に分けます。このとき、自分の側には「いつまでに返事を確認する」というタスクを1つ残してください。一覧から消してしまうと、頼んだこと自体を忘れます。メールやチャットで頼んだものも、その場でタスクにして同じ場所へ入れてください。いつ誰に何を頼んだかが残れば十分です。

これで自分に残された時間が正しく見えます。ただし、相手待ちの列は放っておくとまず伸びます。**返事を確認する日を、相手に伝えた期限の前に置いてください。**週単位で動く仕事なら週1回、毎日動く案件なら終業前に5分。カレンダーに入れてしまうのが確実です。 ここを決めておかないと、3つめは1週間で崩れます。

いちばん効くのは1つめです。2と3は、1ができていないと結局あふれます。明日は1つめだけでも構いません。

ツールを開く前に試したい場合は、紙とペンでも同じことができます。今日使える時間を紙の上に書き、今日やるものだけを書き出して、あふれた分は明日の欄へ。相手待ちは紙の右半分に寄せる。やっていることは変わりません。

続けるコツ:3つとも、自分で抱えなくていい

この3つは毎日の手作業です。仕事の合間に続けるには、それなりの根気が要ります。3つとも、私たちが提供するサービスで任せられます。

時間を数えて仕分ける作業と、大きい仕事を分ける作業は、AIエージェントを1体つくるところから始まります。カレンダーの予定を読んで、その日に作業できる時間を確かめ、タスクを振り分ける。期日から逆算して大きな仕事を作業の単位に分け、「最初の15分」まで具体化する。空いている時間を見ながら、その作業を予定として入れる。ここまでを自動で回せます。さらに、自分で進められる作業は、そのままAIに進めさせることもできます。

相手待ちを追いかけるところは、AI秘書が引き受けます。LINEのやり取りから「これ、お願いします」を拾ってタスクにします。期限が近づくと、担当者に声をかけます。返事がなければ、もう一度催促します。受け取った記録も残るので、頼んだ側が覚えておく必要はありません。人がやると気まずくなるところを、仕組みに肩代わりさせる形です(LINE以外のチャットにも順次対応しています。使える範囲はご契約と設定によって変わります)。

もちろん、上に書いた手順はどれも、いま使っているツールの中で手を動かせば終わります。任せるかどうかは、続けてみてから決めれば十分です。

よくある質問

Q. マルチタスクが得意な人にならないとだめですか。

なる必要はありません。切り替えの回数が減るように並べれば、行き着く先は同じです。得意そうに見える人も、頭の中で同時にこなしているわけではありません。

Q. 明日に送っても、明日も埋まっています。

3日先まで押し出しても入らないなら、それは積み方ではなく量の問題です。数えた結果は、そのまま「減らす・断る・人に渡す」と相談するための材料になります。数えたものをそのまま見せれば、話が早く済みます。

Q. 全部書き出したら、逆に不安になりました。

自然な反応です。書き出すと数が見えるので、増えたように感じます。次は眺めるのではなく、今週入らない分を来週へ押し出してください。

まとめ

マルチタスクが苦手で仕事が終わらないとき、原因は集中力ではなく計画のほうにあります。そもそもの考え方から確かめたい方はタスク管理とは?もどうぞ。

ツールは締切を管理しますが、1日にこなせるタスクの数までは見てくれません。だから、分けて割り振った時点で「終わらない日」ができあがり、当日まで誰も気づかない。やることは3つです。その日に使える時間を先に数える。大きい仕事は最初の15分だけ決める。相手待ちを自分のリストから外に出す。

明日やること

その日に使える時間を決める

  • カレンダーの予定を引いて、作業に使える時間を出す
  • タスク管理ツールの今日の分に、その時間のところで線を引く
  • はみ出した分は「期限を動かす・人に頼む・今回はやらない」のどれかに決める

大きい仕事を動かす

  • タスク名を「最初の15分でできること」に書き換える
  • 残りを分けるのは、その15分を終えてから

相手待ちを分ける

  • 担当者を相手に変えるか、ラベルを付けて別の一覧に分ける
  • 自分の側に「いつまでに返事を確認する」を1つ残す
  • 確認する日を、相手に伝えた期限の前にカレンダーへ入れる

明日の朝いちばんに、カレンダーを開いて残り時間を数えるところから始めてください。

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