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TASK6Excelタスク管理できない人の味方

タスク管理をエクセルで続ける|限界がくる3つの合図

エクセルやスプレッドシートのタスク管理は、作り方より「作った後」でつまずきます。表が壊れて戻せなくなる、記入者が分からない、書き写しが増える。限界がくる3つの合図と、表を変えずに今週打てる手をまとめました。

高橋ゆうこ

進捗表の1行が、いつのまにか下にずれていた。

気づいたのは、それから2週間ほど経ったあとだった。戻せばいい、と思って版の履歴を開いて、手が止まる。ずれる前まで戻すと、この2週間に入れた進捗が全部消える。戻さなければ、ずれたまま進む。どちらも選べないまま、その日はファイルを閉じた。


エクセルやスプレッドシートでタスク管理をする方法は、すでにたくさん説明されています。項目の決め方、プルダウン、条件付き書式。そのとおりに作れば、たいていちゃんとした表ができます。

つまずくのは、作った後です。エクセルをやめる話ではありません。

まず、そのまま使える表を渡します

作るところから始めたい方のために、タスク管理表のExcelテンプレートを用意しました。担当・期限・状態のほかに「いま誰が持っているか」の列があり、自分の手を離れて相手の返事を待っているタスクが埋もれません。

タスク管理表のExcelテンプレートを受け取る

すでに自分の表がある方は、そのまま次に進んでください。ここから先は、その表を長持ちさせる話です。

エクセルのタスク管理は、どういうときに限界がくるのか

エクセルでのタスク管理の限界とは、表に書いてあることと実際の進み具合がずれていき、誰も表を信じなくなる状態を指します。機能が足りなくなるのではありません。人数が増えると起きやすくなりますが、一人で使っていても起きます。

次のうち、思い当たるものはありますか。

  • 表の状態と、実際の進み具合が合っていない気がする
  • この行、誰が書いたんだっけ、と探すことがある
  • チャットや議事録から表へ、手で書き写している

合図1:壊れたことに気づくのが遅れて、戻せなくなる

エクセルとスプレッドシートは、表の形そのものを、使う人が壊せます。行を1つ挿入する、並べ替えの範囲を間違える、数式の入ったセルを上書きする。どれも普通の操作なので、やった本人も気づきません。

怖いのは壊れること自体ではなく、そのあとです

スプレッドシートの進捗表が壊れたのに誰も気づかず、その上に2週間分の進捗が入力され続けたことがあります。気づいたときには、壊れる前に戻せばその2週間が消え、戻さなければ表が壊れたまま、という状態になっていました。結局どちらもできず、その表は使われなくなりました。

見分け方:いま開いている表で、最後に数式や並び順を触ったのがいつかを言えますか。思い出せないなら、壊れていても気づけません。

合図2:その行の記入者が、分からなくなる

エクセルの表は、記入者が行にくっつきません。担当者は「やる人」、記入者は「その行を書いた人」です。専用のツールなら記入者と日時が自動で残りますが、表では自分で書かない限り、記入者は残りません。

これは、社外の相手と1つの表を共有しているときに一気に効いてきます。新しい機能の要望をお客さまに書いてもらう表で、「入力必須」と書いてある欄が空のまま出てきたことがありました。記入者も分からないので、その要望の中身を誰に確認すればいいのかも分からない。表の上では要望が1行増えているのに、話を進める先がありません。

「入力必須」という文字は、エクセルの中ではお願いでしかありません。社内のメンバーなら守ってくれるかもしれませんが、お客さまには社内ルールに従う理由がないので、必ず崩れます。

見分け方:直近に増えた10行を見て、誰が書いたかがすぐ分かる行が何行あるか。半分を切っていたら、この合図が出ています。

合図3:別の場所からの書き写しが、毎週発生している

決まりごとはチャットや会議で生まれて、表はあとから書き写して作られます。この書き写しが週に何度も起きるようになると、抜けが出ます。

書き写しで落ちるのは、たいてい細かいほうの情報です。「来週まで」が「来週金曜」だったこと、「◯◯さんに確認してから」という前提。表には結果だけが残り、条件が消えます。あとで表を見た人は、条件が消えたほうを正しいものとして進めます。

これは社外とのやりとりだけでなく、社内でも同じように起きます。

見分け方:先週1週間で、チャットや議事録から表に書き写した回数を数えてください。3回を超えていたら、書き写しはもう作業のひとつです。

今週できること:表を作り直さずに3つ

3つとも、いまの表のまま、今日から手をつけられます。

1. 週の初めに複製して、日付を名前に入れる

進捗表_0729 のように、週の初めのファイルを1つ残します。スプレッドシートなら「コピーを作成」で十分です。これだけで、「戻すか、ずれたまま進むか」の二択にならずに済みます。壊れた週の表と、その後に入力した内容を、並べて見比べられるからです。

2. 「記入者」と「更新日」の列を、いちばん右ではなく左に置く

右端に置くと、横スクロールした先にあるので誰も書きません。担当者の隣あたりに置いて、入力規則のプルダウンで名前を選ばせます。手で打たせると空欄になります。

必須にしたい欄は、空欄だと色が変わるようにしてください(条件付き書式で「空白なら赤」)。文字でお願いするより、色のほうが守られます。

3. 「正しいのはどれか」を1つに決める

同じ内容の表が2つ以上あるなら、どちらが正しいかを決めて、もう一方は消すかリンクだけにします。二重管理は、書き写しを毎週発生させる原因そのものです。

決めるときの基準はひとつで、その表を毎日いちばん多く開く人に合わせてください。作った人ではありません。

それでも残るもの

3つとも、続けるには人の手が要ります。忙しい週は複製を忘れ、記入者の欄は空のまま、書き写しは後回しになります。

正直に書きますが、エクセルやスプレッドシートの表と自動でつながる仕組みは、私たちも持っていません。できるのは、表に書き写す前の段階を引き受けることです。チャットでのやりとりから「誰が・いつまでに・何をするか」を拾って記録し、期限が近づいたら本人に声をかけ、返事がなければもう一度声をかけ、終わったかどうかを確かめます(使える範囲はご契約と設定によって変わります)。

期日から作業を割り出して並べるところや、カレンダーの予定を見て空いている時間に振り分けるところも、私たちの提供するサービスで任せられます。表に何を書くかで迷う手前の部分です。

とはいえ、上の3つは今日から手で始められます。まずは週の初めの複製からで十分です。

よくある質問

Q. スプレッドシートなら版の履歴が残るので、合図1は起きませんか。

履歴は残りますが、戻すと、そのあとに入力した内容も一緒に消えます。困るのは履歴の有無ではなく、壊れてから気づくまでの時間です。気づくのが翌日なら履歴で足りますし、2週間後なら足りません。

Q. 何人を超えたら、専用のツールに移るべきですか。

人数では決まりません。3つの合図のうち、いくつ出ているかで見てください。1つなら、上の対策で持ちこたえます。2つ以上が同時に出ているなら、表を直すより先に、書き写しの発生源を減らすほうが効きます。

まとめ

エクセルのタスク管理が続かなくなるのは、表の作り方が下手だからではありません。

表に書いてあることが、実際と合わなくなるからです。壊れたのに気づかない、誰が書いたか分からない、書き写しで条件が落ちる。この3つが重なると、表は開かれなくなります。

なお、ツールを変えれば解決するとも限りません。同じことはNotionでも起きますし、そもそも何を管理すればいいのかはタスク管理の考え方のほうに書きました。

明日やること

戻せるようにする

  • 週の初めに表を複製して、日付を名前に入れる
  • 版の履歴が、いつまでさかのぼれるかを確認する

誰が書いたかを残す

  • 「記入者」と「更新日」の列を、担当者の隣に足す
  • 記入者はプルダウンで選ばせる(手打ちにしない)
  • 必須の欄は、空欄だと色が変わるようにする

書き写しを減らす

  • 同じ内容の表が2つ以上あるなら、正しいほうを1つ決める
  • 先週、手で書き写した回数を数えておく

今週ぶんの複製を1つ作ってください。それだけで、来月の自分が戻れる場所ができます。

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