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TASK6Backlogプロジェクト管理できない人の味方

Backlogの使い方|混ざる課題は、入り口で分ける

Backlogの操作は公式ガイドで足ります。それでも課題が溜まるなら、詰まっているのは操作ではなく入り口です。バグと要望が同じ入り口に流れ込む、報告する人が登録できない、誰の番か分からない。会社が決めたBacklogのまま直せる3つをまとめました。

高橋ゆうこ

未対応の課題が、上から順に並んでいる。

1件目は画面が落ちるという報告。2件目は「ここ、もう少しこうなりませんか」という相談。3件目を開くと、また不具合の報告だった。同じ形の行に、直さないといけないものと、やるかどうかから決めるものが、混ざったまま積んである。

どれから手を付けるか以前に、これはうちが直すものなのか、見積もりを出す話なのかが分からない。


Backlogの操作そのものは、公式のガイドと動画でひととおり分かります。プロジェクトを作り、課題を登録し、担当と期限をつけて、状態を進める。ここでつまずく人は多くありません。

それでも課題が溜まるなら、詰まっているのは操作ではありません。しかも会社がBacklogに決めているなら、ツールごと変える相談は通らないはずです。この記事では、Backlogのまま変えられる3つを書きます。課題を受け取る入り口と、受けたあとの分け方と、いま誰の番かの出し方です。

Backlogの「課題」は、何を入れる箱なのか

Backlogの課題とは、依頼を1件ずつ1行にして、誰がいつまでに何をするかを貼りつけておくもののことです。使える環境なら、ガントもボードも通知も、この1件から作られます。

裏を返すと、課題に入った時点で分け方を間違えると、そのあとの画面がすべて狂います。溜まった一覧を眺めて優先順位をつけ直しても直らないのは、そのためです。

ここからつまずきを3つ挙げます。次のうち、どれが自分に近いか見当をつけてから読んでください。

  • 一覧を見ても、すぐ着手していいものと、相手と決めてからのものの区別がつかない
  • 課題を登録しているのが、結局いつも自分ひとり
  • 「処理中」が何週間も動かないまま、誰も催促していない

つまずき1:バグ報告と追加要望を、同じ入り口で受けている

実際に相談を受けた例です。プログラムを納品して運用に入ったあと、不具合の報告と「ここも直せませんか」という要望が、同じ入り口から同じ形で入ってきました。一覧に並ぶと見分けがつかず、どれを無償で直してどれを見積もる話にするのかを、そのつど掘り返すことになりました。

この2つは、性質がまったく違います。不具合は、やるかどうかを相手と決めなくても着手できることが多いです。追加要望は、やるかどうかと、いくらでやるかを決めないと着手できません。判断の要らないものを、判断待ちのものと同じ列に並べたら、要らないほうまで止まります。

直し方:種別を2つに絞ります。名前は「不具合」と「相談」の2つにします。登録するときはどちらかを必ず選ぶ、と決めておきます。3つ以上に増やすと、選ぶ人が迷って手が止まります。

見分け方:未対応の課題を上から10件開いて、「これはうちが直すもの」か「相手に確認してから決めるもの」かを、その場で言い切れるか。言い切れない行が3件以上あれば、入り口で混ざっています。

つまずき2:報告する人にとって、登録画面が難しすぎる

この例では、はじめ開発者向けの課題管理を使っていました。作る側には十分でしたが、報告する側(技術者ではない人)には画面が難しく、結局使われず、報告はもとの連絡手段に戻りました。

入り口は、いちばん詳しい人ではなく、月に数回しか触らない人が書ける形にしておかないと使われません。Backlogは開発者向けの仕組みよりは易しいのですが、社外の人やたまにしか触らない人にとっては、画面に並ぶ項目が多く、どれを埋めればいいのかで手が止まります。

直し方:相手にBacklogを触らせない前提で、入り口を1つ決めます。メールでもチャットでもかまいません。大事なのは書いてもらう項目を3つに固定することです。「起きたこと」「いつ・どの画面で」「急ぐかどうか」。この3つが埋まっていれば、こちらで課題に起こせます。テンプレート(ひな形)を先に相手へ渡して、そこに書き込んで返してもらう形にすると、抜けが減ります。Backlog側は、登録者を自分に固定して、報告してきた人の名前を本文の1行目に書いておきます。あとから「誰が言ったのか」を探さずに済みます。

見分け方:直近1か月に登録された課題のうち、自分以外の人が登録した件数を数えます。ゼロか1件なら、入り口は事実上閉じていて、本当の依頼はチャットとメールの中に散らばっています。

つまずき3:「処理中」のまま、誰の番かが出ていない

はじめから用意されている状態(未対応・処理中・処理済み・完了)が表しているのは、作業がどこまで進んだかです。表していないのは、いま誰の返事を待っているか

先方の確認待ちも、上長の承認待ちも、他部署からの資料待ちも、全部「処理中」に入ります。担当者の欄には自分の名前が残ったままなので、一覧の上では自分が作業しているように見えます。実際には手は空いていて、止めているのは相手。この種の課題は、誰も催促しないまま何週間でも置かれます。

直し方相手の返事を待つあいだは、担当者を相手に変えます。社外の人でBacklogのユーザーがいないなら、社内で受ける人を入れたうえで、件名の頭に「【確認待ち】」と付けます。担当が自分でない行がまとまって見えれば、追いかける先が一目で分かります。

見分け方:処理中の課題を開いて、担当者が自分なのに、次に動くのは自分ではない行が何件あるか。その件数が、いま止まっている数です。

対処:今週やる3つ(設定をいじるのは1つめだけ)

種別を2つに寄せるとき、追加と削除はプロジェクト管理者の権限です。権限がなければ、管理者に「2つに寄せたい」と頼むところまでが今週の分。権限があっても、すでに使われている種別は消さないほうが安全です。消した種別が付いていた過去の課題は、一覧での見え方が変わります。今日以降の登録で2つだけ使う、でも十分に効きます。

3行のテンプレートを配るほうは、設定を触りません。相手にツールを覚えてもらうより速いですし、抜けも減ります。届いた3行を課題に起こす手間は残りますが、書き写す先が決まっているぶん、そのつどの判断が要りません。

担当者を動かすほうも設定は不要で、要点は課題を消さずに、持ち主だけを付け替えることです。返事が来たら自分に戻します。忙しい週ほど戻し忘れるので、そこだけ気をつけます。

この3つは、週の終わりには結果が見えます。見るのは「自分が担当の処理中」の件数です。正しく動かせていれば減っているはずで、減った分は相手側へ移っただけですが、どこで止まっているかが名前つきで分かる状態になります

それでも残るもの

3つとも、続けるには人の手が要ります。テンプレートで届いた報告を課題に起こすのも、担当を相手に変えた課題を追いかけるのも、毎日誰かが見ていないと止まります。忙しい週に最初に抜けるのは、たいていここです。

この部分は、私たちが提供するサービスで任せられます。会社の指定ツールがBacklogなら、乗り換えずに、Backlogの課題をそのまま取り込んで扱えます(こちらで完了にすれば、Backlog側にも戻ります)。新しく拾った依頼をBacklogへ書き込むことはしません。LINEのやり取りから「誰が・いつまでに・何をするか」を拾って記録し、期限の前後にまとめて声をかけ、返事がなければもう一度声をかけ、終わったかどうかを確かめるところまで引き受けます(LINE以外のチャット、担当者ご本人への直接の連絡、時刻を指定した連絡は、上位のご契約でのご提供です)。

いま誰の番かを分けて持つところも同じで、相手の返事待ちが自分の一覧に埋もれないようにできます。つまずき3で切り出した、いちばん放置されやすい部分です。

ただし、不具合と相談をどう線引きするかだけは、社内で決めてください。契約の範囲が絡むので、そこは代わりに決められません。

よくある質問

Q. 種別は細かく分けたほうが、正確に管理できるのでは?

正確にはなりますが、選ばれなくなります。登録する人が迷った時点で、いちばん近そうなものか、既定のままになります。分類は、登録する人が迷わず選べる数までです。細かい区別は、課題の中身に書いておけば残ります。

Q. そもそも、別のツールに乗り換えたほうが早い気がします。

入り口が混ざったままなら、新しいツールでも同じ並び方になります。ツールを替えても、報告する側が使えなければ、依頼はもとの連絡手段に戻ります。先に「何を分けるか」を決めてから、ツールの話に進むほうが早いです。順番が逆だと、移し替えの作業だけが増えます。

まとめ

Backlogで課題が溜まるのは、使い方を知らないからではありません。

直すものと決めるものを同じ入り口で受けているか、報告する人が登録できていないか、誰の番かが状態に出ていないか。たいていこの3つのどれかです。会社が決めたツールは変えられなくても、この3つは今週変えられます。

「いま誰が持っているか」で仕事を見る考え方はプロジェクト管理とはにまとめました。入力の手間が続かなくてツールが放置される話は、Notionのタスク管理が「メモ帳化」する理由のほうが詳しいです。返事を待つあいだ誰が追いかけるかは、リマインくんの使い方と、仕事で使うときに足りなくなるものにまとめてあります。

今週やること

分ける

  • 種別を「不具合」と「相談」の2つに寄せる(追加・削除は管理者の権限。なければ管理者に頼む)
  • 未対応の上から10件を開いて、どちらかを付ける
  • 判断がつかない行は、相手に確認する1件として切り出す

つけ直すのは今日以降の分だけで構いません。過去の課題は、そのままにしておいて大丈夫です。

受ける

  • 「起きたこと/いつ・どの画面で/急ぐかどうか」の3行のテンプレートを作る
  • 報告してくる人に、そのテンプレートを先に渡しておく
  • 届いた3行を、こちらでBacklogの課題に起こす

相手はBacklogを開きません。開くのは、こちら側だけです。

回す

  • 処理中の課題を開いて、次に動くのが自分ではない行に印をつける
  • 印をつけた行の担当者を、相手に変える
  • 返事が来たら、担当者を自分に戻す

同じ形で並んでいる行が、2種類に見えるようになります。今週はそこまでで十分です。

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