レビュー・承認
レビューシステムの概要
AgentPM のレビューシステムは、タスクや仕様決定に対する承認プロセスを管理します。「誰がレビューしたか」の証跡を自動記録し、監査グレードの品質管理を実現します。
レビューシステムの特徴
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 必須レビュアー制度 | 指名されたレビュアーが全員承認しないと完了にならない |
| 任意レビュー | 指名なしの場合、誰でもレビュー・承認が可能 |
| 差し戻し時の部分維持 | 変更箇所のみ再承認が必要。社内承認済みの項目はリセットされない |
| 監査証跡 | レビュアー名、タイムスタンプ、関連会議IDを自動記録 |
レビュー対象
レビューは以下の2種類のアイテムに対して実施できます。
| 対象 | 説明 | 用途 |
|---|---|---|
タスク (type = 'task') |
通常の作業タスク | 成果物の品質確認、完了確認 |
仕様決定 (type = 'spec') |
仕様に関する意思決定 | クライアントとの合意確認、設計方針の承認 |
注意: 仕様決定タスク(
type = 'spec')にはspec_path(仕様書のパス)とdecision_state(決定状態)が必須です。
レビューステータス
レビューには以下の4つのステータスがあります。
| ステータス | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
pending |
レビュー待ち | レビュアーの対応を待っている状態 |
approved |
社内承認済み | レビュアーが内容を承認した状態 |
changes_requested |
変更依頼 | レビュアーが修正を求めている状態 |
rejected |
却下 | レビュアーが内容を却下した状態 |
ステータスの遷移
┌──────────────┐
│ pending │
│ (レビュー待ち) │
└──────┬───────┘
│
┌────────────┼────────────┐
v v v
┌────────────┐ ┌───────────┐ ┌──────────┐
│ approved │ │ changes_ │ │ rejected │
│ (社内承認済み) │ │ requested │ │ (却下) │
└────────────┘ │(変更依頼) │ └──────────┘
└─────┬─────┘
│ 修正後
v
┌──────────────┐
│ pending │
│ (再レビュー) │
└──────────────┘
レビューの作成・依頼
レビュー依頼の手順
- タスクのインスペクター(右ペイン)を開く
- 「レビュー」セクションを確認する
- レビューがまだない場合は 「レビュー依頼」ボタン が表示される
- ボタンをクリックすると、レビュアー選択画面が表示される
- レビュアーとなる社内メンバーをチェックボックスで選択する(複数選択可)
- 「依頼する」ボタン をクリックしてレビュー依頼を送信する
- レビューが
openステータスで作成され、タスク一覧にレビューバッジが表示される
Tips: レビュアーには admin または editor ロールのスペースメンバーのみ選択可能です。社内メンバーだけでレビューを完結させることもできます。
レビューバッジ
タスク一覧で、レビュー中のタスクにはステータスバッジが表示されます。
| バッジ | 色 | 意味 |
|---|---|---|
| レビュー中 | 青 | レビューが open 状態 |
| 社内承認済み | 緑 | 全レビュアーが承認 |
| 差し戻し | 赤 | 変更依頼あり |
レビューの実施方法
レビュアーとして指名された場合、または任意レビューに参加する場合の手順です。
承認する
内容に問題がない場合に承認します。
- レビュー対象のタスクをクリックしてインスペクターを開く
- レビュー内容(タスクの説明、添付ファイルなど)を確認する
- 「レビュー」セクションに自分がレビュアーとして表示されていることを確認する
- 「承認する」ボタン をクリックする
- 自分の承認状態が
approvedに変わる - 全レビュアーが承認するとレビューステータスが
approvedに自動更新される
差し戻す
修正が必要な場合に差し戻します。
- レビュー対象のタスクのインスペクターを開く
- 「レビュー」セクションで 「差し戻す」ボタン をクリックする
- 差し戻し理由の入力欄が表示される
- 理由を具体的に記載する
- 修正箇所の指摘
- 期待する修正内容
- 参考情報(必要な場合)
- 「送信」ボタン をクリックする
- レビューステータスが
changes_requestedに変わる - 差し戻し理由は赤色のカードで表示される
Tips: 差し戻し理由は具体的に書くことで、修正のやり取りを減らせます。「ここを直してください」ではなく、「XXの部分をYYに変更してください。理由はZZです」のように記載してください。
再レビューワークフロー
差し戻し後の再レビュープロセスです。
基本ルール
- 既に 社内承認済み のレビュアーの承認は そのまま維持される(ゼロからやり直しにならない)
- 差し戻し 状態のレビュアーのみ
pendingにリセットされ、再確認を依頼される - 新しいレビュアーを追加することもでき、既存の承認には影響しない
手順
- 差し戻し理由(赤色カード)を確認する
- 指摘された箇所を修正する
- レビューセクションで 「レビュー依頼」ボタン をクリックする
- レビュアーを選択し直す(既存レビュアーは自動選択される)
- 「依頼する」 をクリックして再レビューを送信する
- 差し戻しレビュアーのみ
pendingにリセットされ、社内承認済みのレビュアーは維持される
複数レビュアーの場合
| 状態 | 説明 |
|---|---|
| レビュアーA: 社内承認済み、レビュアーB: 変更依頼 | Bの指摘箇所を修正後、Bのみ再承認すればよい。Aの承認は維持 |
| 全レビュアー: 社内承認済み | レビュー完了 |
Tips: 差し戻し後も既に通ったチェック項目は維持されるため、レビューのコストを最小限に抑えられます。
監査証跡
AgentPM のレビューシステムは、意思決定の証拠を自動的に記録します。
記録される情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レビュアー名 | 誰がレビューしたか |
| タイムスタンプ | いつレビューしたか |
| ステータス変更 | どのような判断をしたか(承認/変更依頼/却下) |
| コメント | レビュー時のコメント内容 |
| 会議ID | 関連する会議がある場合、その会議への紐づけ |
仕様決定(spec)の監査
仕様決定タスクでは、追加の証跡が記録されます。
| イベント | 記録内容 |
|---|---|
spec_decided |
仕様が決定された記録。evidence='meeting' で会議での決定を示す |
| 会議内決定 | meeting_id が紐づけられ、どの会議で決定されたかを追跡可能 |
| クライアント確定 | on_behalf_of='client' で、クライアントの代理決定を記録。確認相手・根拠も保存 |
入力者と意思決定者の分離
監査の信頼性を高めるため、「入力した人」と「意思決定をした人」は明確に分離されます。
| フィールド | 内容 |
|---|---|
actor_id |
実際にシステムで操作した人(社内メンバー) |
on_behalf_of |
代理であることを示すフラグ('client') |
client_confirmed_by |
実際に意思決定したクライアント担当者 |
注意: この分離により、「社内メンバーがクライアントの代わりに入力した」場合でも、誰の意思決定かが正確に記録されます。
クライアントのレビュー
クライアントはポータル画面からレビューに参加できます。
クライアント側の機能
- レビュー専用リストの閲覧(今日チェックすべきもの / 期限切れ / すべて)
- タスクの詳細確認
- コメントの投稿
- レビューチェックの完了
Tips: クライアントには「今日どれをチェックすればいいか」が明確に表示されます。期限が近いものが優先的に表示されるため、見落としを防げます。
レビュアーの変更
レビュー依頼後にレビュアーを変更する必要がある場合の手順です。
レビュアーの追加
- タスクのインスペクター(右ペイン)を開く
- 「レビュー」セクションを表示する
- 「レビュアーを追加」ボタンをクリックする
- 新しいレビュアーを選択する
- 追加されたレビュアーに通知が送信される
レビュアーの削除
レビュアーを削除する場合は、該当レビュアーのレビューエントリを削除します。
注意: 既に社内承認済みのレビュアーを削除すると、その承認記録も削除されます。必要に応じて、削除前にレビュー履歴を確認してください。
レビュアーが不在の場合
必須レビュアーが長期不在の場合は、以下の対応を検討してください。
- 不在のレビュアーを削除する
- 代替のレビュアーを追加する
- 代替レビュアーに経緯をコメントで共有する
期限超過時の対応
レビューが長期間対応されない場合の運用方法です。
レビュー停滞の確認
レビューが pending のまま長期間経過している場合、以下を確認してください。
| チェック項目 | 対処法 |
|---|---|
| レビュアーが通知を見落としている | レビュアーに直接連絡する(Slack やメール) |
| レビュアーが多忙で対応できない | 代替レビュアーの追加を検討する |
| レビュー内容が不明確 | タスクのコメントで補足説明を追加する |
推奨対応フロー
- レビュー依頼から 3営業日 経過しても対応がない場合、レビュアーに個別にリマインドする
- 5営業日 経過した場合、プロジェクトの admin に相談し、代替レビュアーの追加を検討する
- 緊急度が高い場合は、レビュアーを変更して速やかに対応する
Tips: レビュー依頼時にコメントで期限の目安を伝えておくと(例:「2/15 までにご確認をお願いします」)、対応漏れを防げます。
レビュー運用のベストプラクティス
推奨ワークフロー
- タスク作成時: 必要に応じてレビュアーを指名する
- 作業完了時: ボールを
clientに変更し、レビュー待ち状態にする - レビュー実施: レビュアーが確認し、承認または変更依頼を行う
- 修正対応: 変更依頼があれば修正し、再提出する
- 完了: 全レビュアーの承認が揃えばレビュー完了
注意点
- 必須レビュアーが不在の場合、レビューが滞る可能性があります。代替レビュアーの設定を検討してください
- 仕様決定(spec タスク)のレビューは、会議と組み合わせることで監査証跡がより強固になります
- レビューコメントは具体的かつ建設的に記載してください